「そろそろ出かけるかあ、窓閉めて、イッヌの為にエアコンつけて〜」
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突然ですが、ペットにまつわるクイズを出題します!〇、×形式で答えてください。
犬や猫は汗をかかない、〇か×か?
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ペットを観察していて、犬や猫が全身汗だらけになっているのを見たことある人はいないでしょう。そう考えると『〇』のような気もしますが…実際は犬も猫も足の裏に汗をかくので、正解は『×』です!
とはいえ、犬や猫は人間のように全身から汗を出して体温調節をしているわけではありません。
犬や猫はパンティングと呼ばれる「舌を出して、ハァハァする行動」などで体温を調節しています。
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犬や猫も熱中症になる、〇か×か?
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7月や8月になると急激に増える『熱中症』の話題。特に子どもやお年寄りが熱中症になることが多いようです。
では、犬や猫はというと…人間同様に熱中症になるので『〇』が正解!
特にフレンチブルドックやパグなどの『鼻ぺちゃ』な顔が可愛らしい、短頭種と呼ばれる犬種は熱中症になりやすいといわれています。
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十分な呼吸ができずにパンティングを常に行っていたり、ずんぐりとした体格をしていたりすることから熱が体にこもりやすいようです。
また、長毛の動物も熱中症になりやすいので注意してください。
汗を使ってうまく体温調節ができず、熱中症にもなる犬や猫。
最近はペットのためにエアコンをつけっぱなしにしている飼い主も少なくありません。
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どれほどの飼い主が冷房を使っているのかは、犬や猫の損害保険を扱っている『アイペット損害保険株式会社』が行った「複数回答可のアンケート調査」を見るとよく分かります。
犬や猫の飼い主665人のうち、約8割がペットの熱中症対策として冷房を使っていると回答。
さらに「自宅にペットしかいない時も冷房をつけっぱなしにするか」と質問をすると、約8割が「はい」と答えています。
かなり多くの飼い主が、ペットのためにエアコンをつけっぱなしにしていることが分かりました。
しかし、空調機の大手『ダイキン』が「ペットにとって最適な温度を知っているか」といった調査を飼い主に行ったところ、約84%が「知らない」と答えたそうです。
横浜市の『ラクーンアニマルクリニック』、杉並区の『さくら動物病院』の獣医師に聞いた、ペットに最適な温度や熱中症対策などをご紹介します!
ペットが快適に過ごせる温度って何度?
ペットの熱中症対策として、多くの飼い主が行っているエアコンのつけっぱなし。
しかし、間違った温度を設定しては、効果的に熱中症を予防することはできません。犬や猫にとって、最適な温度とは何度なのでしょうか。
熱中症対策などと一緒に、見ていきましょう!
人間同様に犬も猫も熱中症になります。
では、どういった症状が出たら熱中症を疑ったほうがいいのでしょうか。
飼い主から見て分かる症状としては、「パンティングでの呼吸が激しい」「元気がなくぐったりしている」「引っ張っても動かない」「よだれが垂れている」などです。
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さらに重症になると、歯茎の色がレンガ色になったり、蒼白になったりと変化します。また、嘔吐や下痢、意識喪失やけいれんなど…熱中症は処置が遅れると多臓器不全に移行するため、さまざまな症状が出ます。
とにかく体を冷やしてあげましょう。とはいえ、氷を使って体を冷やすのは逆効果!
急激に冷やしてしまうと、血管が収縮して血流が悪くなり放熱を妨げてしまいます。
体を水で濡らしたり、濡らしたタオルでくるんだりしてから、風に当てて気化熱で体温を徐々に低下させるなどの応急手当をしましょう。
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ただ、熱中症を発症した後は脳の体温調節中枢が機能しないので、冷やし続けると低体温症になります。
素人では判断できないこともあるので、必ず動物病院を受診するようにしてください。
『ラクーンアニマルクリニック』の獣医師によると、犬の体温調節は以下の4種類があるそうです。
・伝導⇒冷たい床に横たわることで、熱が低温側に移る。
・対流⇒体の表面に風が流れることで熱を奪う。
・ふく射⇒体表面から大気中に放熱する。
・蒸発⇒パンティングにより口腔と呼吸器から水分の蒸発をうながす。
ふく射のイメージ
4種類の中で外気温が高くても効率的に体温調節ができるのは『蒸発』だけ。ほかは外気温が高いとうまくできません。
そのため、頭部の構造から気道が非常に狭く、呼吸がうまくできない短頭種は、ほかの犬種に比べて『蒸発』での体温調節の効率が悪くなります。
そのほかにも、ペットの体温調節に影響する要因はあります。
・皮毛の密度が濃く、保温機能が高いハスキー犬などは耐暑性が弱く注意が必要。
・大型犬は、小型犬に比べて体の熱が逃げにくい。
・皮下脂肪は体温の放熱を防ぐため、肥満体型は体温が下がりにくくなる。また、肥満の動物は気道が狭いため、呼吸に必要なエネルギーも増加して、熱を蓄積しやすくなる。
・高齢や生まれたばかりの子犬や子猫は、体温調節機能が低い傾向にあり、適温も異なる。
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部屋の広さや環境にもより異なるので、エアコンの設定温度より体感温度を気にしたほうがいいようです。
一般的に多くの動物が20℃から25℃を目安にするといいといわれています。人間にとって少し涼しいくらいがいいでしょう。
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ちなみに、ウサギやげっ歯類などは耐寒性は強いものの、耐暑性は弱い傾向にあります。そのため、適温は20℃前後と低く、25℃を超えないようしたほうがよいようです。
ハスキー犬も低めの温度設定を好みますが、プードルやダックスフントは25℃前後でも快適に過ごせます。
また、比較的暑さに強いといわれる猫も快適な温度は25℃前後。温度だけでなく、押し入れや部屋の隅など、猫が暑いと感じた時に移動できる場所を用意することが大切です。
・熱中症になったら体を濡らすなどして、体温を下げる。氷を使って急激に冷やすのは逆効果。
・素人では判断できないこともあるので、熱中症になったら必ず動物病院を受診する。
・快適な室内温度は動物により違うが、一般的には20℃から25℃が目安。
ペットのためにエアコンをつけっぱなしにするのなら、動物たちにとって最適な温度を設定してあげたいもの。
飼っているペットの体型や年齢などによって、最適な温度は変わってきます。一度、動物病院に相談してみるといいかもしれません。
大切な家族の一員であるペットが、熱中症で倒れることがないように、エアコンを上手に使ってあげてくださいね。
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取材協力
ラクーンアニマルクリニック
住所:神奈川県横浜市港北区新横浜 3-13-11
[文・構成/grape編集部]